波形鋼板ウェブ合成構造研究会

Corrugated Steel-Web Bridge Association

波形鋼板ウェブ合成構造研究会 30周年に寄せて

波形鋼板ウェブ合成構造研究会 会長 大山博明

 波形鋼板ウェブ合成構造研究会は、わが国における初めての波形鋼板ウェブPC橋である新開橋が完成した1993年に設立され、2023年に30周年を迎えました。1998年には新開橋、銀山御幸橋、そして当時施工中であった本谷橋の設計・施工の知見を取りまとめ、波形鋼板ウェブ特有のアコーディオン効果を考慮した主桁の設計方法、コンクリートとの新しい接合方法である埋め込み接合とその設計方法などを初めて示した「波形鋼板ウェブPC橋 計画マニュアル(案)」を発刊しました

 そして、この頃から、橋梁技術者の間では、新しい構造である波形鋼板ウェブPC橋に対する関心が非常に高まりました。軽量化が可能であるという特性から、主として高速道路の橋梁建設において適用が検討され、適用に向けた解析や実験検討が活発に行われ、2010年頃までは、設計、施工、研究の各方面で正しく一大ブームとなりました。この成果により、長支間化、広幅員化、斜張橋やエクストラドーズド橋への適用などの適用範囲の拡大と省力化施工方法の開発と導入が急速に進みました。このような過程を経て、2000年から2017年頃まで高速道路を中心に毎年比較的多くの波形鋼板ウェブPC橋が建設され供用されており、現在は220橋を超えるまでになりました。各年代において、設計、施工、研究などの各方面で、非常に多くの方が情熱をもって取り組まれた結果であり、ここに感謝と敬意を表します。

 本研究会では、波形鋼板ウェブ橋の可能性にいち早く着目して研究会を設立して以来、その普及に努めてまいりました。波形鋼板ウェブ橋は、軽量化という最大の特徴に加え、施工の省力化が可能な工法であり、この優位性を活かし、これからも橋梁建設のニーズに応えていくことを期待します。

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